「私が思う研修講師、教育者にとって一番重要なこととは」
理事見聞録#014
コロンビア大学教育学博士 箱田賢亮
日本プレセンテーション協会理事
インサイトラーニング株式会社 取締役社長
M U S T(しなければ)からW A N T(したい)へ
私たちはいつでも人に何かを伝えるというコミュニケーションを使って成長していきます。 コミュニケーションが苦手だという人も、自分の子供や、友達になんらかのコミュニケーションを使って情報を教えて、また学んでいます。 コミュニケーションなしでは生きていけません。
特に上司、教師となり、学校、塾などで教える仕事をしている人はこのコミュニケーションを通して、スキルや、K N O W H O Wを伝えなくてはいけないこともしばしばあるものだと思います。 ましてや、スポーツチーム、部活の監督、コーチの皆様も指導者として、様々なスキルを教えています。
しかし、我々は今まで “教え方”、英語にして”H O W T O T E A C H“について考えたことはあるでしょうか? どうやったら上手く教えられるのか? どうやったら上手く伝えられるのか?
自分の経験と度胸を中心に考え、教えるという行動をしてはいないでしょうか?
私は20年以上、大学、高校で教師をやってきてどうやったら上手く教えられるかと言うことを追求してきました。 様々な失敗の中、どうやったら一人一人の生徒を成功に導いてあげられるか? その20年以上の研究、経験から一つ気づいたことがあります。 その答えは
「教える」ではなく、「学ぶ」にありました。
『学びたい』と言う気持ちこそが本当の・最も効率の高い学びを引きおこす最大の要素であると言うことです。
学びたいという気持ちに火をつけてあげることが学びを引き起こす近道です。 反対を言うならば、『学びたくない』人にどんなに教えても情報、スキルは絶対に伝わりません。
どんなにいいことを言っても、教えても、学びたいと言う心を開いてくれないと、学びは起こらないのです。
ですから、教える人たちの最初で、最大のステップは学びたいと言う気持ちを持たせてあげることにあります。
学びたければどんな方法を使っても人は学ぼうとする
人は自分から学びたいスキル、情報には時間、お金を使ってでもそれを得ようとします。 趣味などはとてもいい例です。
ほとんどの人は一つや二つ、他の人に負けない知識、スポーツ、趣味、行動を持っています。 例えば私自身、大好きなビートルズ関係の情報、楽曲に関しては誰にも負けない知識を持っていると自負しています。 私と一緒に働いている若い方はF 1を見て、研究することが趣味で、どのチームがいつ優勝したかや、車のスペックなど私が全くわからない情報を沢山持っています。
実際のところ、私はビートルズを知るために、C Dを全て買い、ギターを使って全て楽曲をコピーして、挙句の果てには海賊版まで買いあさりました。 そうです、我々は自分のやりたい事には惜しみなく時間、またはお金を使うものです。
もう一度言いますが、人はやりたい事、学びたい事にはいくらでも自分を犠牲にできるのです。
ですから、リーダー、教育者の最大の仕事はやらなければならないをやりたいこと、学ばなければいけないことを学びたいにすることなのです。