デジタルデトックスのススメ
理事見聞録#017
バルーン・コンサルティング代表 佐藤彩有里
日本プレゼンテーション協会理事
国家資格キャリアコンサルタント
皆さんは、「今日は一日中、全くどんな電子機器にも触らなかった」といという日はありますか?きっと皆さんもそうだと思いますが、私にもそのような日は皆無です。
この原稿もPCを使って書いていますし、直前にはBluetoothイヤフォンで音楽を聴きながらタブレットで調べ物をしたり、PCからメールの返信をしたりしていました。
スケジュールやto doリストはもちろんのこと、業務に関わるファイルもクラウドに上げているため、インターネットに繋がる環境であれば、いつ、どこからでも閲覧・編集できます。
そのような生活はバッグの中身を軽くしてくれますし、場所に囚われずに働けるので(最近はコロナ禍で行けていませんが)海外でもネット環境さえあれば問題なく働くことができます。
しかしながらメリットのあるものには大抵デメリットもあるもので、そのような「いつでもどこでも働ける」という恩恵の裏には、いつも仕事に追われているような気持ちになる、目や脳が休まらないなどの弊害もあります。
以前は出張の移動時間は休息時間になっていましたが、最近では飛行機の中でもネットが繋がる環境になり、意図的にシャットオフしない限りずっと仕事やメールチェックができてしまいます。
たとえ一日中は難しくても、少しの間でもデジタル機器から距離を置く時間は取りたいものです。参考までに私が実践している例をお伝えしてみます。
温浴施設に行く
会社員時代、尊敬する先輩に「週末は何をしていることが多いですか?」と尋ねてみたところ、「家族と温浴施設に行くよ」と言われ、その時は意外に感じましたが、今はその意義がよくわかります。温浴施設やサウナにはデジタル機器が持ち込めません。よって、自動的にデジタル機器や仕事モードから自分の身を引き剥がすことができます。
自転車に乗る・筋トレをする
それをしていると安全性などの観点から必然的にスマホがいじれないというような行動を選んでやってみましょう。運動もできて一石二鳥です。
スマホを持たずに散歩する
ある程度時間に余裕がある日を選んで外出してみると、いかに自分が日常的にスマホの地図に頼っていたかがわかったり、すぐにスマホをチェックしたくなっている自分の禁断症状に気づくことができます。自分で何とか解決しようと、普段使っていない脳が働き始めるのを感じてみてください。スマホを持たずにホテルのロビー、図書館、公園など自分が集中できる場所に行くのもおすすめです。
瞑想をする
瞑想には創造力や集中力が高まるというエビデンスもあり、Google社では数年前からgPause(ジーポーズ)というマインドフルネス推奨のための自主グループを立ち上げ、場所を整えたり業務時間中のヨガや瞑想を推奨したりしています。私も朝起きたらすぐに瞑想をして頭をスッキリさせてから仕事に取り掛かるようにしています。
ツールを活用する
私は日頃からSNSのプッシュ通知を切っていますが、最近買い換えたスマホにはフォーカスモードという、ボタンを押すと指定したアプリからの通知が表示されないという機能がついています。普段は通知のままにしておいて、集中したい時だけそういった機能を利用するということもできますね。また、仕事が終わったら、PCをスリープモードではなくシャットダウンしてしまうというのも脳と体を休める際の儀式として用いている一つです。
映画館に行く・読書する
多少目が疲れますが、今置かれている状況を一瞬でも忘れて気持ちをリフレッシュすることができます。
熟考したり、今後の方向性について思いを馳せたりするような作業は、気持ちを落ち着けた方が良いアイディアが生まれやすくなります。日頃から少しずつデジタルデトックスをする時間を取る習慣をつけ、集中できる時間や空間づくりを探ってみてください。
(理事見聞録#017)