プレゼン最前線2021年2月15日号
高野文夫NPO日本プレゼンテーション協会理事長

コロナ時代の自己管理の重要性

  これからは平常時にも、「自分は今、何を忘れているだろうか(何を当たり前と思っているだろうか)」と自分に問いかけることが大切になるのではないかと思います。
  現代社会では、様々なことがルーチン化・形式化・前提化されていく一方で、「このルーチンはどんな背景から生まれたのか」「なぜその形式化が必要だったのか」「何を前提としているのか」といった部分を考える人がいなくなっています。
  いちいちそうしたことにまで遡って考えている時間というか余裕がないのです。
  しかし、急にやってきたリモートワーク時代ではそうはいきません。 多くの人が基本的に「ひとりで」仕事をしなければならない状況にあり、セルフ・マネジメントの重要性が益々高まってきました。
  セルフ・マネジメントというと、「望ましい成果を設定し、計画を建て、あとは成果実現に向けて、自分で自分を律しながら(時間や進捗の管理を行いPDCAを回して)進めていく」といったものになります。
  しかし、これがスムーズにできれば苦労しないのです。
  セルフ・マネジメントの方法論を説く書籍などは多いですが、状況に合った適切な判断を行える人を対象としています。
  言ってみればできる人なんですね。セルフ・マネジメントができる人を大前提としているのです。
  実際我々は、同じような失敗を繰り返しています。計画を建て、それに従ってやるつもりでも、その通りに最後まで実行できた試しがない人は多いのではないでしょうか。
 自己管理の法論 ①

 潜在意識の中にある認識の枠組みを覚する)

  セルフ・マネジメントができるようになるためには、まずもって、ご⾃⾝の「認識の枠組み」を知らねばなりません。
  我々は日々、⾃分⾃⾝で判断を下し、⾃分⾃⾝の意思に沿って⾏動していると思っています。
  しかし、実は「認識の枠組み」によって⾃動でパターン認識が行われているだけであって、⾃分がコントロールしている領域は限られているのです。
  P.F ドラッカー博士によれば、「⼈間の⾏動、思考、感情の 90%は無意識的な⾃動パターンに⽀配されている」と言っています。すなわち、多くの⼈は、そもそもご⾃⾝の「認識の枠組み」を分からないでいるのです。
  しかし、今は実は、⾃⾝の「認識の枠組み」を⾃覚する絶好の機会と⾔えるかもしれません。
  感染症対策で、実際、どのようなときにイライラしがちか、体験したことがない状況に置かれたときにどういう⾏動を取りがちかなどを振り返って考えてみると、⾃分にパターンがあると感ずるでしょう。
  ⼈は今のような先の⾒えない状況におかれ、不安に苛まれたり恐れを抱いたりすると、かえって本当の⾃分が出る傾向があるという研究結果もあります。
 自己管理の法論 ②

(茹でガエルになるな!)

  この機会に、今までの仕事のやり⽅を⾒直して変えようと考えている⼈も少なくはないでしょう。
  しかし、⾏動変⾰というものは、なかなかできるものではありません。なぜか。その答えは、実は変えたくないからです。
  そして人というものは、現状に満足しているうちに、知らず知らずの内に「茹でガエル」になってしまっているのです。
  ここで、「茹でガエル」について簡単に説明させて頂きますね。
  茹でガエル現象とは、寓話にあるカエルの状態を指すように、良い言葉で言えば、人間は環境適応能力が高いためゆっくりと進む環境の変化には気づきにくく、気が付いた時には手遅れになるということを意味します。
  このたとえ話は、企業経営やビジネスシーンで用いられており、環境の変化に対応する大切さや、重要性また環境の変化に気づくことの困難性を指摘する警句として用いられています。それを、「ゆでガエル症候群」または「ゆでガエル現象」などとも呼びます。
 成果実現に向けて望ましいと考える⾏動があるにもかかわらず、いつもそれとは異なる⾏動を取ってしまうような場合、⾃分⾃⾝の認識の枠組みが阻んでいる可能性が⾼いのです。
  いわば『アクセルとブレーキ』を同時に踏んでいる状態と⾔ってよいでしょう。よく「変わりたくても変われない」という⼈がいますが、それは実は「⾃覚せずについている嘘」なのです。

  この続きは2021年3月15日号になります。

NPO日本プレゼンテーション

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