他人からの影響
  理事見聞録#019

特定非営利活動法人 日本プレゼンテーション協会

理事 古澤宏宜

みなさん、こんにちは。JPA理事の古澤です。

みなさんがプレゼンテーションを実施するのはどういう場面でしょうか。

おそらくは会議のような“集団”の中で実施する方が多いかと思います。

 今回の内容は、そんな「会議の場」における「他者からの影響と他人の認知」について、心理学プレゼンテーションの観点でお伝えしたいと思います。

空気を読むとは

 みなさんはこんな時どうするでしょうか。

想像してみてください。何人かの友人と一緒に喫茶店に入ってオーダーする場面、あなたはたまたま最後にオーダーする席に座っていました。前にオーダーした人全員(例えば5〜6名)が次々に同じ注文、例えばアイスコーヒーを注文したとしましょう。こんな時、あなたは大好きなマンゴージュースが飲みたいと思っていたとしても、前の人と同じものをつい注文してしまいますか。

おそらく、一人で喫茶店に来ていたならば自主性を持って好きなものを注文できたものを、他の人たちといるとどうしても影響を受けてしまうものです。
こういう行動を「同調行動」と呼びます。

社会的促進と社会的手抜きとは(※)

 人間は社会のなかに生きていますが、その影響はしばしば自分では気がつかないような形で作用します。
たとえば、一人きりで食べる食事は、家族や親しい友人と一緒に食べる食事と比べてどうしても味気ないものになりがちで食が進みません。
一方,楽しいパーティなどでは、びっくりするほどたくさんの量を食べられたり、お酒などでも思いのほか飲み過ぎてしまったり、という経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
 自分1人ではできないと思っていたことが、他人と一緒ならできるという例はいろいろあるに違いありません。スポーツやその他のコンクールで優勝した団体のインタビュー記事を読むと、「チーム一丸となったから頑張れた」とか「チームワークの勝利だった」というコメントがよくあります。このように他者が存在することによってある行動が促進される現象を「社会的促進」と言います。

一方、社会的促進とは反対に、他者と一緒のときには一人だけの時と比べて実力が出しきれないという現象も知られています。一人なら1時間で終わる作業でも、4人なら15分で終わるはずだと思っていたところが、30分もかかってしまったり、1人なら平均50kg引ける綱引きでも4人のチームでは200kgではなく、150kgしか引けないなど、むしろ集団では効率が落ちてしまうこともしばしばあります。

集団ないしチームプレイとなってしまうと、知らず知らずのうちに各自が手抜きをする場面があるのかもしれません。このように、ほかの人たちとの共同作業で個々人の基本能力の和が達成できないという現象を「社会的手抜き」と言います。

社会的促進を活かしたプレゼンテーション

 みなさんはセミナーなどでプレゼンテーションを実施する際、「グループワーク」や「グループディスカッション」をしたりしますでしょうか。また、「会議」の場での参加者者の配置はしっかりと検討した上で決めてますでしょうか。

こういった場合も、もちろん「社会的促進」や「社会的手抜き」は当てはまります。「同調行動」もありえるでしょう。

セミナーや会議など、さまざまなプレゼンテーションをする場において、複数人が参加する場合においては、「社会的促進」となるような配席、グループ分けなどを決めることがあなたのプレゼンテーションを成功させるための重要な鍵になってくるのです。

(※)引用:「初めて出会う心理学 改訂版」 第9版 有斐閣アルマ

以上

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