プレゼン最前線2021年12月号
日本プレゼンテーション協会 理事長 高野文夫

2021年12月15日

NPO 日本プレゼンテーション協会理事長

今月12月はU理論特集です(その1)

U(ユー)理論とその身近な実践法

1、『出現する未来から学ぶ』とは?

この言葉は全くなじみがないと思います。イノベーションを起すと言い換えてもよいでしょう。

実は私たちが日常生活の中で、何かに触発されて、ふとした瞬間に、何の根拠もなく『これだ!』という確信に満ちたアイデアが浮かんでくることがあります。

たとえば、チームが崩壊寸前にあるとき、一人の思いきった発言や行動が劇的な展開をもたらしたり、また経営者の方であれば、

修羅場の中で腹をくくったとき、妙に吹っ切れた気持ちになり、新しい現実が開けてきたりします。

NHKの番組、Project-Xで語られる多くの場面でもこのような瞬間に出くわしています。

これが『出現する未来から学ぶ』すなわち、凝り固まっている古い自己を捨てて(Letting go)、新しい大いなる可能性を秘めた自分を迎え入れる(Letting come)なのです。

ただの過去の延長ではない全く新しい自己を迎え入れる、それは沼に住む『ヤゴ』が脱皮して、沼の泥の中の生活に見切りをつけて、『トンボ』になって飛び立つ瞬間にも似ています。生物学的には、脱皮をしているわけです。

すなわち、過去の古いやり方から一気にやり方を変える、そう!イノベーションを起すという事なのです。

2、かつてのリエンジニアリングとは違う

1990年代に花盛りだった「リエンジニアリング」の70%は失敗に終わったと言われています。

なぜならばリエンジニアリングは、単なる枠組みの見直しであって、当事者たちが問題を深く考えなおした上での「リフレイミング」では無かったのです。

ではそのような状態に自分を持ってゆくには如何にしたらいいのでしょう

か? 

まず重要な事は、過去の経験や事例に囚われない事です。過去を一旦断ち切ってみるのです。

3、過去や既成事実をダウンロードしない。

ダウンロードとは過去の記憶が踊っている状態です。

このようにイメージできませんか? 

湖の表面が風で波立っていても水に潜れば、深い所は静かですよね。意識が表面の動きに気を取られているときは、ダウンロード状態が起きていると見てください。

自分のダウンロード状態に気が付いて、より深い層に対して意識が開けば、ダウンロードの状態が消えるとでも言うべきものだと思います。  

瞑想しながらUの谷を降りて上がってくる

それではこの続きは、2022年1月15日号にてお話します。

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