JPAニュース 2021年6月15日号
NPO日本プレゼンテーション協会 理事長 高野 文夫
商品特徴の説明より、相手の利益を議論せよ!
喜びを説き、恐怖を煽れ!
買い物であれ、仕事であれ、遊びであれ、人間が何かをするのはメリットを得て、デメリットから逃れるためです。これ以外の動機は何もありません。
なぜ女性はお化粧をするのでしょうか?
それは、『きれいだな』って思われるメリットを得て、『うわっ、酷い顔!』って思われるデメリットを避けるためですよね。
この所、私の友人は60歳後半から70歳前後でバタバタと亡くなっています。そのような早死にの友人は大概、糖尿病や痛風を病んでおり、そんななのに、たばこは止められず肉食で大酒のみなのです。
その事例を見る毎に私は恐怖感を覚えます。
私がスポーツクラブに行くのは、腹を引込めて素敵な熟年と思われる、またはメタボリックになって成人病になりたくないと言うメリットがあるからです。このメリットとデメリットが言わば『喜びと恐怖』なのです。
人は他を説得するとき、このメリットとデメリットを説き、従った場合の喜びと、従わない場合のリスクと恐怖をゾッとするほどの現実味を持たせて分からせれば良いのです。
パンフを使って、これでもかこれでもかと、自社製品の長所を説明する営業マンがいますが、お客様は耳をふさいでいます。
そんな暇があったら、ありとあらゆる質問をして、喜びと恐怖(メリットとデメリット)を骨の髄まで分かる様に、相手の口から言わせるのです。
恐怖が頂点に達した時、もう説明はいりません!早く売ってください!!
そう言ってお客様はしがみついてくるのです。
それでは、2021年7月15日号にてお会いしましょう。