高野文夫のNPO日本プレゼンテーション協会理事長の月初のメルマガ8月1日号

   『高野文夫の人間力大学』

   JPAホームページの理事長の常設コーナー

       (2026年8月1日号)

 私は毎月2冊のペースで本を出版しています。この7月にはNo.253&254冊目の本が出版されました。紙の本と電子本ですが、ご興味をお持ちの方は紙の本は、

 値段が1,300円もして恐縮ですので、300円の安価な電子本でお読みくだされば幸いです。

本の要旨

AI時代における「忖度」の活用法

 日本社会において「忖度」という言葉が汚い手段や権力への媚びへつらい(おべっか)という意味で定着してしまったのは、「行き過ぎた上下関係や集団主義」による弊害です。

 しかし、AIという究極のロジック・マシーンと共存していくこれからの時代、私たちはこの言葉を本来のポジティブな意味「データには表れない他者の内面を想像し、

 真摯に寄り添う知性」へとアップデートし、再評価していく必要があります。

 ロジックや効率化をAIが担うからこそ、人間は「忖度」という名の高度なエンパシー(共感力)を磨くべきだと言えます。

 忖度(そんたく)」の本来の意味と、それが現代日本でネガティブなニュアンスを帯びてしまった歴史的・社会的背景について、きちっと理解する必要があります。

 忖度とは本質的に「他者の心や立場を推し量る(=シンパシーやエンパシー)」という高度な知性と思いやりのプロセスであり、単なる「おべっか」とは明確に一線を画すものです。

 この本では、この「忖度」という言葉の経緯を踏まえた上で、「これからのAI時代において、なぜ忖度が極めて重要になるの」について、以下の3つの観点から考察します。

AIには決して真似できない「高度な文脈理解」としての忖度

 現在のAI(大規模言語モデルなど)は、入力されたテキストやデータからパターンを読み取ることは非常に得意です。

 しかし、AIは「言葉の裏にある、人間のドロドロとした感情、プライド、歴史的背景、あるいは言いたくても言えない事情」を真に理解しているわけではありません。

 人間同士のコミュニケーションにおける「忖度」は、単なる文字通りの意味(明示的知識)ではなく、その場の空気、相手の表情の微細な変化、過去の関係性といった「暗黙知」をフルに動員した超高度な推論です。

 AIがどれだけ進化しても、この「言葉にされない人間の心を真摯に推し量る力」は、人間にしかできない聖域として残り続けます。

 効率化されたAI時代だからこそ価値が増す「人間味(血の通った配慮)」

 AIの普及によって、ビジネスや日常の定型業務、論理的な分析、ファクトチェックなどは圧倒的に高速化・効率化されます。

 つまり、「正論」や「データに基づいた正しい回答」を出すこと自体の価値は相対的に下がっていくということです。

 そうなった時に差がつくのは、「正論だけど、今このタイミングでそのまま伝えると相手を傷つけてしまうかもしれない」と推し量り、相手の立場に合わせた伝え方や行動を選び取る力です。

 本来の意味での「忖度(=相手を思いやる思考プロセス)」ができる人は、AIが代替できない「血の通った信頼関係」を築くことができるため、AI時代においてより一層重宝されるようになります。

「AIの暴走」を防ぐための人間側のブレーキ役

 AIは命令されたことや、データ上の目的関数(ゴール)に向かって最適化を行う存在です。

 しかし、AIには「これをやったら、数値上は正解だけど人間社会の倫理的・感情的にどうなのか」という配慮(忖度)ができません。

 これからの時代、人間側には「AIが提示してきた最適解が、関わる人々の気持ちや社会の調和にどう影響するか」を忖度し、コントロールする役割が求められます。

 AIを道具として使いこなしつつ、最終的な意思決定に「人間への深い理解と配慮」を組み込めるかどうかが、AI時代のリーダーシップの本質になるでしょう。

この本でその手法を体得してください。   以上

2026年9月1日号でお会いしましょう。

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