高野文夫NPO日本プレゼンテーション協会理事長の月初のメルマガ

2026年6月1日号

『高野文夫の人間力大学』

JPAホームページの理事長の常設コーナー

(2026年6月1日号)

私は毎月2冊のペースで本を出版しています。この5月にはNo.249&250冊目の本が出版されました。

紙の本と電子本ですが、ご興味をお持ちの方は紙の本は、値段が1,300円もして恐縮ですので、300円の安価な電子本が6月の第一週には追って発刊になりますのでお読みくだされば幸いです。

人間力とコミュニケーション力: AIと共創!人間ならではの「感性」と「リーダーシップ」でひらく豊かな未来 ペーパーバック – 2026/5/24

タカノ (著) 人間力とコミュニケーション力: AIと共創!人間ならではの「感性」と「リーダーシップ」でひらく豊かな未来 | タカノ |本 | 通販 | Amazon

「忖度(そんたく)」という言葉が、現代では 「顔色を伺う」といったネガティブな文脈で 使われがちなのは、言葉の本来の持ち味からすると非常に勿体ないことですね。

 本来、この言葉は非常に思慮深く、温かい人間の知性を表すものです。その語源と本来の意味を整理します。

1.語源は中国最古の詩集『詩経』

「忖度」の初出は、約3,000年前の中国の詩集『詩経(しきょう)』にある一節だと言われています。

 

 「他人(ひと)に心有り、予(われ)これに忖度す」 (他人の心に何か考えがあるとき、私はそれを推し量り、理解しようとする)ここには、単なる「ご機嫌取り」ではなく、「相手が何を考えているのか、その真意を深く静かに探ろうとする姿勢」が描かれています。

2.漢字の成り立ちから見る意味

「忖」と「度」の二文字を分解すると、その本質がより明確になります。

    • 「忖(そん)」: りっしんべん(心)+ 寸(わずか)。「心のわずかな動き」を読み取ることを意味します。

    • 「度(たく)」: 「はかる」「基準」という意味。相手の状況を、自分の物差しではなく「相手の基準」に合わせて推測すること。

 つまり、語源的には「自分のエゴを捨て、相手の心の微かな震えを自分のことのように計り知る」という、極めて高度な共感能力を指しています。

3.日本人が誤解しているポイント

 現在の日本で「忖度」が嫌われる理由は、そこに「自己保身」が混じっているからです。

    • 今の誤解: 「上の人に怒られないように、機嫌を損ねないように動く(=自分のため)」

    • 本来の意味: 「相手が言葉にできない想いを汲み取り、相手のために動く(=利他の心)」

    • 現代における「真の忖度力」の定義

 ITやAIが「正解」を出す時代だからこそ、この「数値化できない行間を読む力」が人間の最後の武器になります。

 

 4.整理すると: 「忖度」とは、「相手の靴を履いて歩いてみる」かのような、深い想像力に基づいた「慈しみの知性」です。

 この本来の意味が伝われば、「忖度できる人」というのは、卑屈な人ではなく、「誰よりも感性が豊かで、チームに不可欠な温かいリーダー」として再定義されるはずです。

 5.社会を良くし世の為になる共感力

 「共感力」は、人に「共感できる力」であり、人に「共感される力」でもあります。

 

     共感力を通して感動が共有された瞬間に、そこには「共に生きている」「一緒に行動できる」縁への喜びと感謝の念が生まれるのです。

 「共感力」と言う重要な「人間力」を、すべての人が意識したり、学校で教わるわけではありません。それなのに今の社会では、「共感力」が益々重要になってきていると思います。

 デジタルツールが進化してゆく一方で、「人と人」がお互いを理解する能力が退化しているように思います。学校、職場、趣味の場、自治会、ご近所と、色々なコミュニティーが存在し、居場所ばかりが増加しているのに、

 その居場所の中でのコミュニケーション力が不足している為に、心を痛めり方も増加傾向です。

 インターネット最盛期に入った今、個人主義が蔓延し、孤独な人間像が浮き彫りになってきました。

 これからのIT技術の進捗やロボティック社会になるにつれて、個人は益々孤独な存在になってゆくでしょう。

 昨今、他人の痛みや気持ちに共感する力が弱まったのか、平和な国と言われてきた日本でも凶悪な事件が多発しています。

 ビジネスにおいては、顧客に共感されないマネーゲームや企業買収のようなパワーゲームが目立つようになりました。

 言葉のやり取りの中で、あたかも人の足を踏んでいても、踏んでいるかどうかが分からなくなっているのです。感性の鈍さです。

 この美しい国日本で、「共感力」がもっと大切にされ、人と人とがともに感動する時間が今より少しでも増えたなら、人と人、国と国とが、エゴの枠を超えて心の絆で繋がっていることを思い出せるのではないかと思います。

 私は感性を基本にした共感の力が、これから益々重要視され、それを涵養してゆくことが人類の永遠のテーマになってゆくと思います。

  今や生きてゆく上で、末期的症状を呈いている世界だからこそ、益々「共感」の重要性が鮮明に意識される時代になったと思います。

  これからITやロボティック社会になればなるほど、感性や共感力を原理にした生き方や文明化がどんどん形になって表れてくると予感します。 

 この数千年間、理性を全面に押し出した文明が続いてきた訳ですが、ここにきて、まさに理性の行き詰まり感があります。

  理性の時代が終焉を迎え、今度は理性に代わる新しい精神原理として「感性や共感力」が脚光を浴びてきたと実感します。

 本書は経験や職種、性別や年齢に関係なく、色々な立場の人に読んでもらいたいと思います。

  この本を頼りに「共感力」を磨くことによって、一人でも多くの人が本来の輝きを取り戻すことに、少しでも貢献できたら著者の最大の喜びです。

2026年7月1日号でお会いしましょう。

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