JPAニュース2022年6月号
2022年6月15日
NPO日本プレゼンテーション協会理事長 高野文夫
JPA理事長の2022年6月の新刊「残念な人のマトリックス」から
1、残念な人のマトリックスとは?
まず最初に「残念な人のマトリックス」とは何かご説明しましょう。私はざっくりと4つの象限に括ってみました。
❶の象限ですが、学生なら勉強ができる、社会人なら仕事ができる、そしてコミュニケーション力に長けた人です。 (できる人)
❷の象限ですが、勉強ができる、または仕事ができるがコミュニケーションに難があり、仲間から嫌われている人です。(冷淡で残念な人)
❸の象限ですが、勉強ができない、社会人なら仕事ができない、しかし仲間から慕われており、コミュニケーション力の高い人です。(可愛げがあるが残念な人)
❹の象限ですが、勉強ができない、社会人なら仕事ができない、そしてコミュニケーションに難があり、要するに、何事も上手にできない人です。(本当に残念な人)
この第四象限には、「論外な人」と私は名付けましたが、どうしようもない、救いようのない人もいます。
ところが、この第四象限の人が実は社会には一番多いのではないでしょうか? そして、よくよく見れば社会の礎になっているのです。
安い給金で最下層の仕事についている人が大多数でしょうが、見方によっては一番世の中の為になっている人達とも言えるのです。
概して、日本人に多いのは第二と第三象限の人ですから、もしそこに入っても気になさらないで下さい。
私の今迄出会ってきた人を見て思いますが、企業内で部長や役員や社長などに上り詰めた人が、第一象限ではなく割かしこの第三象限の人に多いのです。
どのように努力をすれば、理想の「第一象限」に入れるかを、この本でお話し致します。
今、芸能界で一番稼いでいる芸人は「明石家さんまさん」でしょうが、彼や「タモリさん」なんかは、多分第三象限の人でしょう。
繰り返して恐縮ですが、第三象限に入っている人でも決して落胆なさらないでください。そして努力して第一象限に入るように心掛けてください。
私と交友関係のある方々で、仕事や英語は出来ないが、コミュニケーション力に長けているがゆえに上司や権力者のサポートを受けて、
しかし、定年まで会社で働き、その後も契約社員として使ってもらえる人が少なからずおります。
なぜ、使ってもらえるかと言えば「忖度力」に長けていて、可愛げがあるのです。人の世の中はこの「忖度力」が一番大切です。
私の愛読書にデール・カーネギーの「人を動かす」という本があります。世界で聖書に次ぐベストセラーです。
その本は、営業パーソンとして成功したり、周りの人や上役に好かれて出世するコツを説いた本です。
私は、2-30代の頃、営業パーソンとして活動していましたが、製品が売れなくて、売れなくて悩みに悩んでいた時期がありました。
その時、町の古本屋で買ったこの本で開眼した経験があります。(40年前に買ったのがこの本:現物) この本にはこう書いてあったのです。
「営業マンとして成功したり、上司や周りの人から好かれて支えてもらうには、犬になれ!しかも最高に可愛げのある犬になれ!」
私は、犬の動作や表情を研究し、お客様であるお医者さんや看護師さんや会社の上司や周りの同僚達にも、「素直な盲導犬のレトリバーや可愛らしいビーグル犬」の様に振舞ったのです。
社内の仕事に関しては、鉄砲撃ちのご主人の前に、一番仕留めやすい位置に、獲物の雉なりの鳥を追い出す猟犬の様に、テキパキと振舞ったのでした。
そのような薬の営業マン(当時はプロパーと呼ばれた)の私に、あるお医者さんがこう言ったのが印象的でした。
「君の会社の薬は効きが悪く、いわば二流品だが、それはそれで、すぐ治らずに患者がいつまでも来てくれるからお金になるから良い。
それより、君の顔を頻繁に見たいから、お宅の薬を使ってんだよ!」
私は、「これだ!」って思いましたね。
ちなみに社内では、同期で一番早く昇進し、営業から本社のマーケティング本部にピックアップされました。
それでは続きは7月15日にお話しましょう。
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